このご質問もよく頂くご質問です。まず、私がよく返答する答えから。
『個人差はありますが、始めの1〜2週間はきれいな発音は難しいと思います。少しずつ慣れてきますが、極端に発音が難しい場合は調整すれば、良くなることがあります。なので、慣れるまで様子を見せに来て頂ければ安心です。』
実際にはこれ以上に説明をしていますが、ここでは少しだけご説明しますね。
まず、このご質問をされる方はこのような上顎にピンクのものがついた入れ歯をお考えなのではないでしょうか?
患者様からすれば見るだけで、不安な気持ちになってしまうかもしれません。
たしかに、入れ歯に慣れるまでは違和感のため発音は難しいです。早い方で数日で慣れる方もいますが、慣れるのにおおよそ1〜2週間はかかると思って頂ければと思います。
ただし、どんな入れ歯でも患者様が慣れるわけではありません。
大事なのは、
・入れ歯の適合性
・入れ歯の上顎の形状
です。
これらを歯科医師と歯科技工士で考えて、入れ歯を作っているかが重要です。
【入れ歯の適合性】
大げさな例えですが、お口に合っていないガバガバの入れ歯を入れてお話しするとしましょう。おそらく発音が難しいと思います。それだけではなく、気持ちが悪くなったり、吐き気がしてしまうかもしれません。
これらは不適合な入れ歯を無意識なうちに、患者様自身で入れ歯を落ち着かせようと、舌で入れ歯を押さえつけようとし、発音や吐き気が出てしまうからです。
したがって、お口にあった入れ歯というのは発音のみならず、大事なことと言えます。
【入れ歯の上顎の形状】
実はこれがかなり重要になってきます。上顎のピンクの部分の形、厚みが発音にとても関与しています。
発音がしにくくなってしまうのは、サ行・タ行に多いようです。
装着し始めの、発音がしにくいと言う患者様には、2通りの説明をしています。
1つ目は『もう少し慣れてくれば、少しずつ発音できるようになってきますよ。「サクラの花が咲きました」と繰り返し言って、練習していきましょうね』もしくは『これは、上顎のピンクの部分を調整すればよくなりますよ』です。
後者を説明しますね。
例えば「サ」という発音がしにくいとします。
「サ」の発音時には舌と上顎粘膜の(口蓋と言います)ピンクの部分に、ちょうどいい隙間ができなければ発音は難しいとされています。
この黄色の部分が重要です。
ここを適切に形、厚みにしないと、「サ」が発音しにくくなってしまいます。
ここは歯科技工士が形や厚みを作ります。厚すぎても薄すぎても発音しづらいので、歯科技工士の腕の見せ所なのですが、いかに歯科医師がチェックし必要に応じてここを削ったり、盛ったりするかにかかっています。
この形が適切で、初めて患者様が慣れてくれます。
入れ歯を作るのは、このような様々な知識・技術が必要で非常に難しいとされています。
良い入れ歯を手に入れ、患者様が快適な生活を過ごせるように少しでもお役に立てばと思います。
和歌山、大阪で部分入れ歯・総入れ歯のことなら、口コミ・評判が良い入れ歯・インプラント専門の当院へ。