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2018.08.11更新

一般的に就寝時は入れ歯を外してくださいという指導もなされている歯科医院が多いようです。私は合っていない入れ歯、あるいは飲み込む可能性がある大きさの入れ歯の患者様には、そのような説明をします。


しかし、当院で治療されてお口に合っている入れ歯の場合は、基本的に就寝時も装着してくださいとお伝えしています。
その理由としては、いくつかあります。

 

1つ目は、当然ですが見た目です。

例えば総入れ歯に近い入れ歯を外すと、見た目が変わってしまいます。

家族に入れ歯をとっているところを見られるのは恥ずかしい思いをされる患者様も少なくないと思います。そのため、見た目という観点から外すことが避けられないと思います。

 

2つ目は、噛み合わせと呼吸の観点からです。

入れ歯のほとんどが噛み合わせに関与しています。そのため、入れ歯を外すと噛み合わせ、つまり顎の関節に負荷がかかってしまいます。また、顎の関節のみならず、入れ歯を外すことで噛み合わなくなってしまう場合、呼吸の気道が狭くなってしまいます。

 

3つ目は、部分入れ歯の残っている歯への影響の観点からです。

そもそも合っていない部分入れ歯は就寝時問わず、装着すると残っている歯に負担をかけてしまいます。また、粘膜に合っていない部分入れ歯に関しても就寝時問わず、装着すると粘膜を傷つけてしまいます。これらを除外した場合、よく合っている部分入れ歯は装着していないと、残りの歯に過剰な負担がかかってしまいます。

 


以上により、当院では就寝時も基本的には装着してくださいとお伝えしています。

ただし、当院以外で治療された入れ歯は、その治療された歯科医師の指示を仰いでください。

投稿者: 小西歯科クリニック

2016.10.11更新

このご質問もよく頂くご質問です。まず、私がよく返答する答えから。
『個人差はありますが、始めの1〜2週間はきれいな発音は難しいと思います。少しずつ慣れてきますが、極端に発音が難しい場合は調整すれば、良くなることがあります。なので、慣れるまで様子を見せに来て頂ければ安心です。』

実際にはこれ以上に説明をしていますが、ここでは少しだけご説明しますね。
まず、このご質問をされる方はこのような上顎にピンクのものがついた入れ歯をお考えなのではないでしょうか?入れ歯の発音

患者様からすれば見るだけで、不安な気持ちになってしまうかもしれません。
たしかに、入れ歯に慣れるまでは違和感のため発音は難しいです。早い方で数日で慣れる方もいますが、慣れるのにおおよそ1〜2週間はかかると思って頂ければと思います。

ただし、どんな入れ歯でも患者様が慣れるわけではありません。
大事なのは、
・入れ歯の適合性
・入れ歯の上顎の形状
です。
これらを歯科医師と歯科技工士で考えて、入れ歯を作っているかが重要です。

【入れ歯の適合性】
大げさな例えですが、お口に合っていないガバガバの入れ歯を入れてお話しするとしましょう。おそらく発音が難しいと思います。それだけではなく、気持ちが悪くなったり、吐き気がしてしまうかもしれません。
これらは不適合な入れ歯を無意識なうちに、患者様自身で入れ歯を落ち着かせようと、舌で入れ歯を押さえつけようとし、発音や吐き気が出てしまうからです。
したがって、お口にあった入れ歯というのは発音のみならず、大事なことと言えます。

【入れ歯の上顎の形状】
実はこれがかなり重要になってきます。上顎のピンクの部分の形、厚みが発音にとても関与しています。
発音がしにくくなってしまうのは、サ行・タ行に多いようです。
装着し始めの、発音がしにくいと言う患者様には、2通りの説明をしています。
1つ目は『もう少し慣れてくれば、少しずつ発音できるようになってきますよ。「サクラの花が咲きました」と繰り返し言って、練習していきましょうね』もしくは『これは、上顎のピンクの部分を調整すればよくなりますよ』です。
後者を説明しますね。
例えば「サ」という発音がしにくいとします。
「サ」の発音時には舌と上顎粘膜の(口蓋と言います)ピンクの部分に、ちょうどいい隙間ができなければ発音は難しいとされています。
この黄色の部分が重要です。

「サ」の発音

ここを適切に形、厚みにしないと、「サ」が発音しにくくなってしまいます。
ここは歯科技工士が形や厚みを作ります。厚すぎても薄すぎても発音しづらいので、歯科技工士の腕の見せ所なのですが、いかに歯科医師がチェックし必要に応じてここを削ったり、盛ったりするかにかかっています。
この形が適切で、初めて患者様が慣れてくれます。

入れ歯を作るのは、このような様々な知識・技術が必要で非常に難しいとされています。
良い入れ歯を手に入れ、患者様が快適な生活を過ごせるように少しでもお役に立てばと思います。

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投稿者: 小西歯科クリニック

2016.10.05更新

上顎に入れ歯を入れる患者様からよく頂くご質問です。

答えから言いますと、「始めは味覚や食感が鈍くなる方がいますが、入れ歯に慣れてくると味は変わらないという方が多いですね」です。

 

詳しく説明しますね。そもそも味というのは大部分は舌で感じるものです。たしかに上顎の粘膜(口蓋と言います)にも味覚のセンサーが多少ありますが、味覚としては微々たるものです。したがって、口蓋のみではほとんど味を感じることはできません。本当ですか?という方は、一度上顎の粘膜に塩をほんの少し指で置いてみてください。舌で触らない限り、味は感じないはずです。

それでは、上顎に入れ歯(総入れ歯)を入れると、味がわかりにくくなったという方がなぜ出てきてしまうのでしょうか。その原因はいくつかありますが、今回は1つだけ説明しますね。

上顎の入れ歯の口蓋と呼ばれる部分の影響です。

 先ほどもお話しましたが、味覚は舌で感じるものですが、上顎を総入れ歯などでご自分の口蓋を覆うと感覚が鈍り、違和感が生じて食感が変わる可能性があります。また、熱いお茶を口に入れて、熱いと感じる冷温覚も同じ理由で鈍ってしまいます。

そのため「入れ歯を入れると味を感じなくなった」というのは本来舌で感じる味覚は変化しないはずですが、触覚、冷温覚などが影響を受け、味覚に変化を与えているということが考えられます。

これらの影響を少なくするために、多くの歯科医院ではこの口蓋の部分を薄くし、異物感を減らすのと同時に冷温覚を少しでも感じ取るために金属床にしたりします。

金属床

たしかに金属だと薄くしても丈夫ですが、中には口蓋に金属があることに抵抗を持つ方もいます。

そのために、金属ではなくピンクのプラスチック素材(レジンと言います)を使用することもあります。しかし、保険の素材だと金属床レベルの薄さにすると割れてしまいます。だからと言って強度のために分厚くすると、患者様が辛くなってしまいます。

当院では患者様の快適性を考えて、金属床レベルに薄くできる特殊なレジン(イボカップ、イボベース)を使用しています。当院では総入れ歯の金属床を避けたい方には、このレジンをお勧めしています。普通のピンクの床に見えますが、品質が全く違います。かなり薄くそして丈夫に、そして重合精度も抜群に良いです。重合精度が良いので、だ液を吸いにくいため汚れや臭いがつきにくいのも特長です。

 質の高いレジン

ちなみにこのブログを書くにあたり、上顎総入れ歯を以前装着した患者様お2人に味の変化についてお話しを聞くことができましたが、味は変わらないですよ。という回答をお2人から頂きました。
味覚・食感・違和感などの感覚にはあくまでも個人差があると思いますが、入れ歯に慣れてきた多くの患者様にはこのようなご感想を頂いております。

以上までが、上顎の総入れ歯の内容です。 

 

では、部分入れ歯ではどうでしょうか。
例えば、奥歯がない患者様には一般的に床を口蓋をつけない形(馬の蹄に似ていることから、馬蹄形と言います)を設計することが多いようです。
こんな感じです。

口蓋をくり抜いた部分入れ歯

一見、口蓋をくり抜いているので、味覚に影響が出にくい、違和感が少なそうな感じを受けるかもしれません。もちろん、このような形が適している患者様もいらっしゃいますが、当院ではこの馬蹄形以外にご提案している形があります。
なぜ他のご提案をするのかというと、この馬蹄形にするとさまざまな影響が出る場合があるからです。
1つは、力の問題。2つは、違和感の問題です。
この上の絵の場合のように、両奥歯がない場合や片方の奥歯がない場合は、この馬蹄形では片方で噛む力が反対側の歯にそのまま力がかかります。
もちろん過度な力がかかると、入れ歯を支える残りの歯にダメージが加わります。また、前歯にも床が沿っていますので、前歯にも力がかかってしまいます。
また違和感というのは、このくり抜いた辺縁の部分が舌に常時当たるので、気になってしまうことから出てしまいます。患者様によっては、発音がしにくくなったという方もいらっしゃいます。
では、当院ではどうしているかというと、
シュパルテ

こんな感じです。これはシュパルテと言います。歯科医師でも聞いたことがある方は少ないと思いますが、ヨーロッパで行なわれている床の形態(Dr.Shleich考案)です。
「こんな形、逆に気になるんじゃないですか?」とお怒りの声が聞こえてきそうですが(笑)、実際の患者様にこの形を口に入れて頂くと非常に楽ということです。

※こちらをご参考にしてください→患者様の声『味が変わることなく、硬いものも頂けるようになりました』

その理由は安静時、舌が位置する上顎の前歯の裏側はくりぬかれているので、床に舌が当たらず、ご自分の口蓋を舌で触れていることができるからです。
また、この形の辺縁は口蓋前方部にある口蓋雛壁と呼ばれるヒダヒダの形を模倣していますので、境目を舌で触れてもほとんど気になりません。
そして、何より片側に力がかかっても真ん中の喉に伸びた部分で力を吸収してくれますので、反対側に伝わる力は軽減されます。
このように力学的、生理学的なことも考えた入れ歯の設計が患者様の快適性につながってきます。

これから上顎の入れ歯をご検討されている方はご参考にされてくださいね。

 

 

 まとめますと、『上顎の入れ歯を入れることで、味覚は変わるのですか?』という質問に対しては、

「入れ歯に慣れてくるとほとんど味は変わらないという方が多いですが、食感が落ちないように、違和感を減らせるように、入れ歯の材質や設計が重要なので◯◯さんに合った入れ歯にしましょうね」です。

 

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投稿者: 小西歯科クリニック

2016.06.02更新

入れ歯が合わない、入れ歯が痛い、と現在使用されている入れ歯(義歯)にお悩みをもっている患者様は少なくありません。
また、これからインプラントか入れ歯にしようかと迷われている方も多くいらっしゃると思います。
実際当院には和歌山のみならず、大阪からもそのように悩まれている患者様が多く来院されます。

日本には多くの部分入れ歯の種類があるため、患者様はどのような入れ歯治療を受ければいいか迷ってしまうかもしれません。
部分入れ歯の保険治療や自費治療の多くは、クラスプ義歯と言われる針金(バネ)を使用し、他の歯に入れ歯の維持をもとめます。
このような針金を使う部分入れ歯は、見た目の問題やバネをかけている歯への影響を十分に考えなければなりません。

患者様の多くは、見た目を損なわず、しっかり食事や会話ができ、残りの歯を守れるような部分入れ歯を探していらっしゃるのではないでしょうか。

私は開業当初より、日本の様々な種類の入れ歯を多くの入れ歯の名人と呼ばれる先生方のもとで勉強し、本当に患者様に満足して頂けるような入れ歯の技術を身につけてきました。

そこで私がこれはすごい入れ歯だと行き着いた入れ歯が、医療先進国ドイツで120年以上の歴史があり、現在もドイツをはじめヨーロッパで盛んに行われているドイツ式入れ歯のテレスコープ義歯です。
当院でもっとも患者様に提供している義歯で、多くの患者様に喜んで頂いております。

入れ歯

このドイツ式入れ歯の最大の特徴は、針金を使わずに残りの歯を守れるようになっていることです。

日本では珍しいリーゲルテレスコープやレジリエンツテレスコープ、コーヌステレスコープを患者様に合わせて選び設計できる高い診断力をはじめ、製作工程における歯科医師の入れ歯作りの高い技術、入れ歯専門の歯科技工士による精密な技工技術が必要になってきます。

当院は本場ドイツで行われているテレスコープ義歯を、ドイツより日本にはじめて紹介された東京の稲葉繁先生(元日本歯科大学教授)に直接教わり、現在も月に2度稲葉繁先生のもとに通い続け指導を受けています。
これはただ、和歌山や大阪でも全国レベルの入れ歯治療を患者様が受けれるために、という思いで日々研鑽を積んでおります。

入れ歯が合わない方、これから入れ歯をお考えの方は一度当院にご相談して頂ければと思います。
また、当院はインプラントも得意としておりますので、患者様に合わせたインプラントとドイツ式入れ歯の比較などのご提案もさせて頂いておりますので、ご安心してご相談ください。

投稿者: 小西歯科クリニック

2016.05.31更新

「なかなか入れ歯が合わない」「入れ歯に違和感がある」「入れ歯の見た目が気になる」「入れ歯が痛い」「歯がボロボロで入れ歯になりそう」と、お口の中のお悩みは様々だと思います。
当院は、ドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を医療先進国ドイツから日本に初めて紹介した元日本歯科大学教授である稲葉繁先生(東京の稲葉歯科医院)の元で研修しており、義歯(入れ歯)の専門的な治療をできる技術を有しています。
このドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)を患者様に提供している歯科医院は関西地方では非常に少なく、和歌山県では当院のみであります。
したがって、和歌山のみならず大阪からも多くの患者様に、このドイツ式入れ歯(テレスコープ義歯)のような品質の高い入れ歯を探しに来院して頂いております。

入れ歯

医療先進国ドイツで120年以上も歴史のある、部分入れ歯の技術です。
金属のバネを使わず、残っている歯を金属の冠でコーティングし、その上に入れ歯を被いかぶせるという部分入れ歯です。
そのため、残りの歯を守りながら長く使用して頂くことができます。
当院は多くの種類の入れ歯を取り扱っていますが、もっとも自信をもっておすすめできる質の高い入れ歯であります。
高度な技術を要するため、おこなっている歯科医院も非常に少ないですが、院長はこの技術を得意としており、患者さまにご好評いただいております。

 

●テレスコープシステムの種類

<リーゲルテレスコープ>
残っている歯がぐらぐらしていたり、歯の神経がない場合に用いる入れ歯です。
リーゲルとは、かんぬき(閂)を意味し、義歯の内面に小さな鍵が存在するのがこのリーゲルテレスコープの特徴です。この鍵を口腔内で開閉することで入れ歯を脱着します。義歯が入る部分の歯を固定して、鍵穴をつけます。そして義歯の内面の鍵を閉めることで支台歯と一体となった義歯をつくるため、横揺れと縦揺れに強くなり、ほとんど義歯が動くことはありません。そのため支台歯への負担が少なく、違和感を少なくすることができます。この義歯の大きなメリットの1つは残っている歯が神経がないような弱い歯や、歯周病でぐらぐらになってしまった歯でも支台歯にすることができ、歯同士を確実に固定することができます。しかし、この鍵の製作に非常に高い精度が求められるため、テレスコープシステムの中でも熟練の技術を必要とする入れ歯といえます。
※鍵の機能上、リーゲルテレスコープには白金化金(主成分:ゴールド、プラチナ)を使用します。

 

入れ歯2

<コーヌステレスコープ>
残っている歯がしっかりしているが、本数が少ない場合に用いる部分入れ歯です。
入れ歯の固定方法として、二重冠のはめ込み式を用いた入れ歯です。ちょうど、茶筒と蓋のような感じを想像していただくとわかりやすいと思います。
残っている歯に金属のキャップの内冠を被せ、入れ歯側に内冠に適合する外冠を装着し、内冠に外冠をぴったりとはめ込むしくみです。
入れ歯を固定する維持力は内冠と外冠のくさび力によるものです。食事中や会話中には簡単に外れることはありませんが、茶筒の蓋のように、蓋にゆっくりと力を加えると外れるようになっています。当院で行っているコーヌステレスコープは、本場ドイツでの製作方法に基づいて、製作しておりますので、長期的にくさび力(コーヌス効果)が得られるので、長く使って頂けるようになっています。
※内冠と外冠の機能上、コーヌステレスコープには白金化金(主成分:ゴールド、プラチナ)を当院では必ず使用します。

入れ歯3

<レジリエンツテレスコープ>
残っている歯が数本しか残っていない場合に用いる入れ歯です。
「歯がぐらぐらで総入れ歯になりそう」「残り数本の歯しかないが、残りの歯を大事にしたい」という方に多く使って頂いております。
残っている歯が少ない場合は、できるだけその歯に負担がかからないようにする必要があります。そのような弱い歯にクラスプ義歯(針金の部分入れ歯)を用いると、歯の喪失を止めるのは難しいことが多いからです。
そのため、残っている歯によって入れ歯を支えるのではなく、粘膜で維持するしくみになっていますので、残っているご自分の歯を長持ちさせることができるメリットがあるのが最大の特徴です。
また、万が一ご自分の歯をすべて失っても、修理して総入れ歯としてそのままご使用して頂けますので、非常に経済的です。
噛む力が、内冠を被せた、残っている歯に伝わるので、歯が1本残っているだけでも総入れ歯とは使用感が違います。このままだと総入れ歯になるかもしれないと不安な患者さまにおすすめです。

入れ歯4

今回、様々な部分入れ歯をご紹介させて頂きました。
より詳しいご説明を受けたいという方は、一度当院にお問い合わせください。

投稿者: 小西歯科クリニック